計量条件
「時空と重力(藤井保憲著)」の 99 ページに計量条件
の証明が載っていたが, 途中式が省略されている箇所があり, 自分で計算してみたところ, よく分からなくなって 3 日くらい考えた.
今日になってやっとできた.
意外と簡単だった.
以下, メモ.
まず,
を示しておく.
実は 97 ページに簡単な証明が載っていたのだが, 見落としていた.
自分でやったやり方 (本質的には同じ).
偏微分についてのライプニッツの法則 (積の偏微分の公式) を使い,
最初の式と最後の式を比べると, の形をしているので, .
よって示された.
さて, 共変ベクトルの共変微分は定義により
両辺に をかけて
(偏微分についてのライプニッツの法則)
この第二項について
(最初に証明したこと)
( を に置き換えた)
以上により
(反変ベクトルの共変微分)
(共変微分についてのライプニッツの法則 (要証明))
すなわち
したがって
ゆえに
というわけでした!!!!
ちなみに, 計量条件を直接導くもっと簡単なやり方は
EMAN さんのサイト
EMANの物理学・相対性理論・テンソルの共変微分
にあります.
いつも参考にさせていただいています.
気になる点.
面倒な計算によって計量条件が成り立つことが示されたわけだが, 実はこれは必然なのではないか.
つまり, 背後にしっかりとした数学的な根拠があって, そこからほぼ自動的に結論付けられるのではないか.
Wikipedia には共変微分とはある 4 つの条件を満たす写像のことだと書かれてあるが, 別のある条件を満たしていれば, この 4 条件も満たされるという定理があって, 一般相対性理論で定義されるところの共変微分がそのある条件を満たしているのではないか.
リーマン幾何学をちゃんと勉強したい.