共変ベクトルの共変微分
反変ベクトルの共変微分は
で定義された.
この定義の必然性がよく分からないのは以前と変わらないのだが, これを元にして共変ベクトルの共変微分を定義する.
一般のテンソルに対する共変微分について, 次の 2 条件を満たすことを要請する.
(i) がスカラーなら
(ii) 2 個の任意のテンソル , に対して
(i) のスカラーは定数という意味ではなく, 座標変換をしても値を変えないというものである.
(ii) はライプニッツの法則 (積の偏微分の法則) が成り立つようにしたいということである.
であり, (i) より
であるが, はスカラーだったので, (ii) より
すなわち
ゆえに
, はすべての数をわたるから, 添字を変えて
は任意の自然数の値をとり得るので, 数学的帰納法により
と, 定義すればよいことが分かる.