0 は 0 に移る, 計量条件, ビアンキの第二恒等式
局所直交座標系においては
が成り立っている.
(要証明)
添字が上に上がっても同様.
したがって, あるテンソル があって, その各項がこれらを因数としてもつとき, となる.
また, テンソルの変換性により, あるテンソル がある座標系において 0 ならば, それはどの座標系においても 0 である.
以上により, 各項が計量や接続係数を因数としてもつテンソルは, どの座標系においても 0 である.
この事実を使うと, 計量条件が簡単に導かれる.
終わり.
楽勝.
ビアンキの第二恒等式も導いておく.
であるから, 4 階のテンソルの共変微分の定義より
この第 1 項は
したがって,
(接続係数を因数にもつ項) … (1)
となる.
, , をサイクリックに入れ替えると
(接続係数を因数にもつ項) … (2)
(接続係数を因数にもつ項) … (3)
(1), (2), (3) を足し合わせて
… (4)
をつくると, 接続係数を因数にもつ項だけが残るが, (4) はテンソルであるので, 結局 0 である.
…と言いたかったのだが, テンソルになる保証がないとこれは駄目である.
あらあら.
局所直交座標系においては (4) の各項は 0 であるから, (4) は 0 となり, また, テンソルの共変微分について成り立つ式はどの座標系においても成り立つということを仮定すると, 結局, (4) はどの座標系においても 0 ということになる.
以上により
これをビアンキの第二恒等式という.